MT4バックテストとは、過去の相場データを利用してEA(自動売買プログラム)の性能を確認する方法です。
実際にFX取引を開始する前にバックテストを行うことで、戦略の有効性や利益を得られるか検証できます。
目次
MT4バックテスト
バックテストは、過去の市場データを使用して取引戦略の有効性を評価するもので、MT4(MetaTrader 4)を使用することで、過去のデータに基づいてEA(自動売買プログラム)のパフォーマンスをテストし、EA戦略が将来的にも利益を生み出す可能性があるか確認できます。
また、異なるパラメータ(システムやプログラム)を試して最も効果的な設定を見つけられ、リスクと利益のバランスを事前に評価することにより、リスク管理を行うことも可能です。
バックテストの目的
- 戦略の有効性の確認
- パラメータの最適化
- リスクの管理
MT4バックテストのやり方と準備
事前準備
- MT4にログイン
- MT4でEAを設定
- ヒストリカルデータの準備
MT4にログイン
MT4は、MetaQuotes Softwareによって開発されたFX取引を行うためのプラットフォームで、多様なインジケーターやEA(自動売買プログラム)の種類が豊富です。
MT4で取引を始めるためには専用のアカウントを設定が必要です。
MT4のアカウントの作成手順は、利用するFX業者によって異なります。
アカウント設定後は、「ログインID」と「パスワード」を入力し、「サーバー」を選択してからログインボタンを押すことでMT4にアクセスできます。
MT4でEAを設定
MT4にログインした後、EA(自動売買プログラム)の設定を行います。
設定方法は「ナビゲーター」を開き、「エキスパートアドバイザー」を選択し、使用するEAをドラッグ&ドロップすることで、選択したEAがMT4に適用されます。
ヒストリカルデータを準備
ヒストリカルデータとは、過去の市場価格や取引情報の履歴データのことです。
MT4に蓄積されているデータは短期間のデータに限られるため、詳細な分析を行う場合は自分で追加のデータをダウンロードするのがおすすめです。
多くのFX業者がウェブサイト上でヒストリカルデータを公開しており、CSV形式やエクセル形式で提供されているため、プログラミングの知識がなくても比較的簡単に扱うことができます。
MT4バックテストのやり方と結果検証方法
MT4バックテストのやり方
MT4でバックテストを行うには、デフォルト機能である「ストラテジーテスター」を使います。
最初に、MT4のツールバーの「表示」ボタンより「ストラテジーテスター」を選択します。
その後、以下のバックテストを行う細かな詳細を設定します。
設定項目 | 詳細 |
エキスパートアドバイザ | バックテストを行うEAを選択。 |
通貨ペア | バックテストを行う通貨ペアを選択。 |
期間 | バックテストを行う時間足を選択。 |
モデル | バックテストを行う方法を選択。 |
スプレッド | 実際に使用する通貨ペアのスプレッドを選択。 |
期間 | バックテストを行う期間指定。 |
最適化 | 過去のデータを元に検証したい場合は選択。 (通常のバックテストを行う際は選択不要) |
ビジュアルモード | EA(自動売買プログラム)がチャート上でいつ注文を行ったのか確認したい場合は選択。 (※選択した場合は検証に時間がかかります。) |
エキスパート | 買いや売りどちらで取引を行うか、証拠金の設定などが可能。 |
テスト設定タブ | 初期証拠金の金額を設定した場合、以下2つから設定が可能。 ・買い(Long)と売り(Short)の両方で取引を行う ・売買どちらか一方のみを行う |
パラメーターの入力タブ | 最適化を行う場合は、バックテストを行うパラメーターを設定。 |
最適化タブ | 一定の条件になったらテストを止める制限の設定が可能。 |
上記の設定項目の選択し、「スタート」を押すとバックテストが開始します。
MT4バックテストの結果を検証する方法
バックテスト完了後、結果は、ストラテジーテスターの「結果」から「グラフ」を選択し、「レポート」から確認できます。
MT4バックテストの注意点
MT4のバックテストで信頼性の高い結果を得るためには、複数の注意点があります。
注意点
- 100トレード以上を目安にサンプサイズを確保する
- 失敗したり上場廃止になった資産も含めてバックテストを行う
- 将来を予測する情報は使わない
- 古いデータは現在の市場状況と大きく異なる可能性がある
- バックテストに使用したデータとは別の期間でテストを行う
- スプレッドや手数料などの取引コストを考慮する
MT4のバックテストでは少なくとも100トレード以上を含めることで、より正確な分析が可能になります。
また、実際にかかる取引コストも考慮することでバックテストの結果の精度を高めます。
さらに、失敗したり上場廃止になった資産も含めてバックテストを行うことも重要です。
将来を予測する情報を使用すると、戦略の性能が実際よりも良く見えてしまう可能性があります。
実際の市場環境でのフォワードテストを行うことで、バックテストの成果を検証することが効果的です。