「レバレッジ」とは、担保にした証拠金の何十倍にも相当する資金でFX取引ができる仕組みです。
この記事では、FX取引においてのレバレッジの仕組みやメリット・デメリット、計算方法などについて詳しく解説します。
目次
レバレッジとは

レバレッジとは、「てこの原理」を意味し、自分の証拠金以上の金額を取引することができ、大きな利益を期待できるようになることを指します。
海外FXのレバレッジ
海外FX業者のレバレッジ

海外FX業者では、業者ごとにレバレッジが異なります。
レバレッジが異なる理由は、以下のような要因があります。
- 金融ライセンスの規制
- FX業者のリスク管理
- マーケティング戦略
金融ライセンスの規制
FX業者が取得している金融ライセンスにより、レバレッジの規制が異なります。
例えば、海外FX業者が多く存在するキプロスのCySECライセンスでは個人の最大レバレッジが30倍で制限されております。
それ故に、最近ですとレバレッジ無制限のセーシェルライセンスやモーリシャスのオフショアライセンスを取得する業者増えております。
FX業者のリスク管理
レバレッジを高く提供すればするほど、ユーザーにとっては魅力的ですが、その分、業者側のリスクも大きくなります。
A-Book(マーケット取引)とB-Book(相対取引)なのかもレバレッジの倍率が異なる理由の一つとなります。
基本的にはLP(Liquidity provider)に注文を流す際にあまりにも大きなレバレッジでは注文が却下されることがある為、B-BookよりA-Bookの方がレバレッジが低く設定されていることが多くなっております。
マーケティング戦略
海外FXを利用するトレーダーは基本的にレバレッジが高い方を好むので、業者側もより魅力的な取引環境を提供するために高いレバレッジを提供することがあります。
また、スプレッドが狭いのを強みとしている業者もあればレバレッジが高いことを強みにしている業者もあります。
国内FX業者のレバレッジ

日本では金融庁の規制により、個人名義の口座でのレバレッジの上限は、最大25倍と規制されています。
また、負債を負った場合に、証拠金以上の投資をしてしまうと追証(追加で資金を担保に入れること)が必要になります。
国内FXは、法律でゼロカットカットシステムの採用を禁止しており、損切りができずに負債を負った場合、証拠金以上のマイナスが発生する可能性があるので注意が必要です。
高いレバレッジを提供しているFX業者は利益を増やせることをメインで記載しますが、もちろん、レバレッジをかけて取引を行うということはその分損失も大きく発生する可能性がございますのでそちらのリスクも鑑みてレバレッジを選択ください。
海外FXと国内FXの比較
最大レバレッジ | 追証 | ゼロカットシステム | |
海外FX業者 | 数百倍〜無制限 | あり | あり |
国内FX業者 | 25倍 | あり | なし |
レバレッジの計算方法
レバレッジの計算は、現在の為替レートと取引数量を掛け合わせた取引金額を証拠金で割って求められます。
計算方法
レバレッジ=(現在の為替レート×取引数量)÷証拠金
FX取引におけるレバレッジの設定に関しては、多くの初心者が「どのように設定するのか」と疑問を持つことがあります。
実際には、レバレッジは直接設定するものではなく、主に取引数量と保証金の量によって間接的に決定されます。
レバレッジをかけた取引のメリット

- 少額の資金で大きな取引
- 高いリターンの可能性
- 資本効率の向上
- 柔軟な投資戦略
- ヘッジの機会
少額の資金で大きな取引
レバレッジは、実際の投資資金の何倍もの取引が可能になる仕組みです。
例えば、10倍のレバレッジを使用すれば、10万円の資金で100万円分の取引が行えます。
初心者や少額から投資を始めたい人でも、大きな取引を体験が可能で、実際の市場の動きを感じながら投資の経験を積むことができます。
高いリターンの可能性
レバレッジを使用して大きな取引を行うことで、市場の小さな変動でもその変動分が大きく反映されるため、大きな利益を得るチャンスが増えます。
少ない資金投下で、大きなリターンを狙うことが可能なため、短期間での資産の増加を期待できます。
資本効率の向上
手持ちの資金をフルに活用しながら、それ以上の取引を行うことができるため、資本の回転率が向上します。
同じ資金でより多くの取引を行い、資本の効率的な運用が可能になります。
柔軟な投資戦略
レバレッジの倍率を変えることで、リスクとリターンのバランスを調整しながら、さまざまな投資戦略を組むことができます。
市場環境や自身の投資目的に応じて、最適な取引戦略を選択できます。
ヘッジの機会
レバレッジを利用して、他の投資との相関関係を考慮しながら、リスクを分散・軽減する取引を行うことができます。
一部の資産で大きな損失が発生した場合でも、他の資産での利益によって全体のリスクをヘッジできます。
レバレッジをかけた取引のデメリットと注意点

高いレバレッジを活用する際には、リスク管理も非常に重要です。
- リスクの増大
- 追証のリスク
- 感情的な判断の誘発
- 市場の急激な動きへの対応
リスクの増大
レバレッジを使用すると、取引金額が増加するため、市場の動きによる損益の影響も大きくなります。
市場の予測が外れた場合、大きな損失を被る可能性があります。
追証のリスク
一部の取引所やブローカーでは、損失が証拠金を超えた場合に追加の資金を要求される「追証」のリスクが存在します。
感情的な判断の誘発
高いレバレッジを使用すると、大きな利益や損失が生じやすくなるため、トレーダーが感情的な判断を下すリスクが高まります。
市場の急激な動きへの対応
高いレバレッジを使用していると、市場の急激な動きに対応するのが難しくなることがあります。
特に、突発的なニュースやイベントが発生した場合、市場が一時的に非常に不安定になることがあります。
レバレッジをかけた取引のポイントと対策

- リスク管理
- 資金管理
- 情報収集
- 業者の選定
- 感情のコントロール
リスク管理
レバレッジをかけることで利益が増大する反面、損失のリスクも増大するため、十分なリスク管理を行うことが必要です。
対策
- 損切り: 事前に損失を許容できる範囲を決め、その範囲を超えた場合は迅速に取引を終了する。
- ポジションサイズの調整: 投資金額を適切に調整し、一度の取引でのリスクを最小限に抑える。
資金管理
投資する資金は、失っても大丈夫な範囲内に留めることが推奨されます。
対策
- 分散投資: すべての資金を一つの取引に使わず、複数の取引や通貨ペアに分散させる。
- 再投資: 利益が出た場合でも、その全てを再投資するのではなく、一部を確保する。
情報収集
為替の動きや経済指標など、取引に関連する情報を常にチェックし、適切な判断を下すことが重要です。
対策
- 信頼性のある情報源: 新聞、専門サイト、公式の経済指標発表など、信頼性のある情報源からの情報収集を心がける。
- 定期的なチェック: 市場の動きは日により変わるため、定期的に情報を更新し、分析する。
業者の選定
信頼性やサービス内容、取引条件などをしっかりと確認し、自身の取引スタイルに合った業者を選ぶことが大切です。
対策
- 業者の評判や実績: 他の投資家のクチコミや評価、業者の実績を確認する。
- 取引条件の確認: スプレッドや手数料、レバレッジの上限など、取引条件をしっかりと確認する。
感情のコントロール
取引においては冷静な判断が求められます。
感情に流されずに、計画通りの取引を心がけることが重要です。
対策
- 取引計画の作成: 事前に取引の計画を立て、その計画通りに行動する。
- 定期的な自己評価: 取引の結果を定期的に振り返り、感情のコントロールができているか自己評価する。
レバレッジを使用した取引をおすすめする人

- FX取引に経験がある人
- リスクを取ることができる人
- 十分な資金を持つ人
- 情報収集や学習を継続できる人
レバレッジ取引は初心者には難易度が高いため、ある程度の経験が必要です。
また、レバレッジ取引には、一定の資金も必要です。
損失が出た場合でも、その後の取引に支障をきたさない程度の資金を持っていると、安心して取引ができます。
FXの市場は日により変動するため、常に最新の情報を収集し、学び続ける姿勢が求められます。
まとめ

レバレッジをかけた取引は、高いリターンを目指すことができる反面、リスクも増大します。
特に、海外FXでは非常に高いレバレッジを利用することができるため、取引を行う際には十分な注意が必要です。
国内FXは安全性が高い一方で、レバレッジの上限があるため、取引の幅が狭まることがあります。
どちらの取引を選ぶかは、投資家のリスク許容度や取引の目的によって異なりますが、十分な情報収集と計画をもとに、安全な取引を心がけることが大切です。